442 PUMA KING

Size UK6.5 Made in West Germany

懐かしい最初の投稿以来、久しぶりの80年代の「KING」です。

個人的には一番好きなモデルですが、同時期のハイエンドモデルの「TORERO」に比べるとなかなか見つからず、数年ぶりに昨年入手できました。

未使用箱入りで、ディエゴ様サイズですが、この時期特有の内張りの革(裏革)が劣化しやすい材質なのが残念です。

ただ、最初に入手したKINGは、

裏革はまったく残っておらず、真っ白の状態でした。
そのため、すぐに修復を決意しました。


現在はキレイな状態です。

今回入手したモデルも修復しようと思っているのですが、このようにまだモデル番号表示が残っています。

というわけで、修復依頼しようかまだ迷っている状況です。

「KING(492)」、「WM(480)」、「Menotti Star(497)」、「SPA KING(493)」は1980年ごろに2色ナイロンソールの取替え式ハイエンドモデルとして発売されました。

初期のモデルは裏革が本革だったようで、今も劣化していないことが多いですが、途中で人工皮革になったようで、40年以上経った現在、古いモデルの方がむしろ状態がよいことが多いです。

一例として、スタッドが白い時代のWMの裏革、

このころのモデル表示は青色です。裏革の劣化は見られません。


「KING」のアッパーはカンガルーで、「WM」はボックスカーフでしたが、今回入手した「KING」はなんとなく「WM」のアッパーに材質が似ている気がします。

また、つま先の2枚革の形状も変化しています。

左が「WM」。

最初に入手した「KING」や、同じモデル番号(492)の「ROYAL」も、今回の「KING」とほぼ同じ時期の製品だと思いましたが、

つま先の2枚革は、今回のモデルほど横に広がっていません。

この「KING」はこちらのモデルと一緒に同じ方から入手しました。しかもサイズも同じです。

459はモデル番号、ソールの色は「KING」と違いますが、仕様はほぼ「KING」と同じで、80年代後期の「KING」ではないかと思われます。裏革の材質も改善(?)され、現在も劣化は見られません。

Menotti Star (Völler Star)も80年代後期に同様に変化し、こちらのモデルになったようです。

このころはシュータンの西ドイツ製表示が「Made in West Germany」になり、側面のステッチが変わったりしていますが、アッパー全体の形状(特にかかと)も変化しました。

かかと部分を比較してみると、

左から「459」、「KING」、「WM」です。

459と他の違いは明らかですが、「KING」と「WM」もプーママークとラインの位置関係が微妙に違います。

こちらの回で、マニアックなことを語ってしまいましたが、86年W杯のディエゴ様はブルガリア戦とウルグアイ戦で「KING」を履いていました。

ただ、シュータンの動物の位置が少し低かったり、側面のステッチが縦に入っているパターンは、ソールが黒、黄色で、シュータンの西ドイツ製表示がすべて大文字「MADE IN WEST GERMANY」のモデルでは見たことがないです。


(今見ると、オークションに出ていた左の「WM」は今回の「KING」に似た仕様です)

さらに、かかとについても

ブルガリア戦のディエゴ様(右)とブルチャガ選手のスパイクですが、ディエゴ様の「KING」は左右でかかとの感じが違うような気がするのは私だけでしょうか?

集めれば集めるほど、いろいろ疑問が湧いてきてしまいます。

(2023年6月24日)