431 PUMA TORERO (13)

Size UK6 Made in West Germany

だいぶん前にお知り合いのコレクターさんからお譲りいただきましたが、トレロも13足目(1足は復刻版)で、さすがに書くことがなく、アップするのが遅くなってしまいました。

正直、このトレロ自身の話題はあまりないのですが、最近、個人的にはトレロに関するすごい発見がありました。

アルゼンチンのお知り合いからの情報ですが、85年のメキシコW杯予選のペルー戦でディエゴ様が履いていたスパイクが見つかったそうです。

それがこちら、

こちらのWEBサイトにアップされていますが、博物館のものではなく、個人で所有されているそうです。

前期型DUO フレックスソールの(後期型はこちら)ディエゴ様実使用は現在マラドーナファミリーが持っている86年W杯のものしか見たことがなく、コレクターレベルで保有している情報はこれが初めてです。

シュータンの表示も動物の位置や細めの大文字「MADE IN WEST GERMANY」はかなり珍しいパターンです。

残念ながら右足しかないそうで、左はソールが剥がれていて誤って捨てられたとのこと…。

なんというバチあたりな…。

それはさておき、個人的にこのモデルの一番の驚きは「TORERO」であることです。

あったんですねえ、白いトレロが。

日本では市販はされませんでしたが、欧州、南米ではあったのか?はたまた一部のプロ選手専用モデルだったのか?

ナゾは多いですが、80年代の画像ではかろうじてシュータンの表示は見えても、側面の文字がはっきりわかることはまずないです。

金色のトレロを改造して白いトレロを作った価値はあったようです。

未使用品でも内張りが劣化する市販品と違い、パラメヒコのような生地のため、今も無事のようです。ただ、TOREROのソールはけっこう丈夫なんですが、かなり使い込まれたのか、激しく痛んでいるようです。

ペルー戦の画像をもう一枚

まだディエゴ様が世界一になる前ですので、自分の名前を冠した専用モデルがあったかは不明なころです(一般プレーヤー向けはたくさんありました)。WEBサイトでは拡大して見れるのですが、おそらく中敷きも市販品と同じものだったようです。

この「白いトレロ」はナポリに移籍した84年ごろから使っていました。

また、2色ソールモデルもまだ黒白ではなく、黒黄色を愛用していました。


セレーゾ選手のスパイクは何だろう?

もちろん、固定式も愛用していました。

さて、86年W杯本大会でもディエゴ様は「白いトレロ」タイプのスパイクを履いて大活躍し、世界一になるわけですが、果たして、そのモデルも「TORERO」の表示があったかは疑問です。


これは神の手、5人抜きのイングランド戦のスパイクです。同じDUOフレックスソールモデルですが、側面の文字は「TORERO」よりは明らかに字数が多そうです。

いまだにどういう表示だったかは不明ですが、おそらくこの時から「DIEGO MARADONA」だったのではと思っています。

このモデルは初戦の韓国戦と準々決勝(イングランド)、準決勝(ベルギー)、決勝(西ドイツ)で使用されました。すべて同一のスパイクだったかはわかりませんが、おそらくそうだと思います。

それ以外のイタリア戦を除く2試合で使用した黒黄色2色ソールモデルは、

上がウルグアイ戦、下はブルガリア戦で、文字数からして「KING」と表示されていたと思っています。

あらためて86年大会のディエゴ様のスパイクを観察して、少し疑問に思ったことがあります。

ディエゴ様のDUOフレックスソールモデルは左右でかかとの高さが違いませんか?

以前、こちらのコラムで少し書きましたが、80年代の前期から中期にかけて、「TORERO」などプーマのモデルはアキレス腱部分の高さが少し変化しました。

トレロ

トレロと、マラドーナプロII


センターに縫い目がある方が低いですが、縫い目がなくても低いモデルもあります。

そうやって見ると、ディエゴ様の86年大会のDUOフレックスソールモデルは左右の高さが違うような気がします(左足の方が低い)。

あらためて、実物をじっくり観察したいなあと思いました。

いつか大々的に公開してくれないかなあ…。

さらに画像を眺めていると…、

ブルガリア戦の「KING」は右足の方が低いような…。(左はブルチャガ選手)

マニアックな話で申し訳ありません。

ブルチャガ選手の86年大会のスパイクはこのころでは珍しく、黒シュータンで白一色の取替え式ソールでした。かかとの形状も独特だったようです。

ただ、最近よく出回っているこの画像、

もとの画像はメッシ選手ではなくブルチャガ選手です。
 
ベルギー戦でブルチャガ選手の縦パスアシストから、ワンタッチシュートでディエゴ様が先制点を決めた後です。

あれ!ブルチャガ選手が白シュータンのスパイクを履いている。

ブルチャガ選手はメノッティスターかな?

全試合黒シュータンのモデルを使っていたと勘違いしていました。

ソールも2色ソールです。

まだまだいろいろ発見があるものですね。

イタリア戦のディエゴ様の固定式モデルなんて、いまだにナゾだらけです。

それにしてもこのころの超鮮明画像が見たいです。

(2023年2月1日)