440 adidas STRATOS SL (4)
Size UK10 Made in West Germany
441 adidas STRATOS SL (5)
Size UK10.5 Made in West Germany
Stratosシリーズ(SL(取替え式)、2000(固定式))は86年W杯用としてデビューしたハイエンドモデルで、特にSLは86年大会でかなり多くの選手が履いていました。
確かなことは言えませんが、おそらくワールドカップ愛用者より多かったのではないでしょうか。
市販品(SL)、(2000)は3本線、かかと部分、ソールが銀色でした。
440は3本線とかかとは白で(こちらでも少し紹介しました)、
それぞれのマークの位置が違ったりします。
市販品でも3本線の間にモデル名があるような場合もありますので、まあ結構アバウトな時代だったんでしょう。
箱入り未使用の441は、最近「先生」からお譲りいただいたものです。いつも本当にありがとうございます。
銀色版はこれまでいくつか手に入りましたが、実際にW杯で使われていたモデルは3本線が白のモデルが多かったことはこれまでも紹介してきました。
意外にもこのスパイクはヤフオクに出品されていましたが、入手先はドイツとのことで、おそらく西ドイツ本国では白ラインバージョンが販売されていたようです。
EUROPA CUP80もそういうパターンでした。
さて、これまでお目にかかれなかった白ラインのSLが手に入ったのは嬉しい限りですが、W杯出場選手の白ラインSLにはまだまだナゾがたくさんあります。
まず、このモデルとほぼ同じタイプをお使いだったのは西ドイツ代表のフェラー選手だと思います。
準決勝のフランス戦で、フェラー選手と競っているバチストン選手も白ラインのSLです。
フェラー選手の86年大会実使用SLはどこかにあるようで、ネットで画像が見れます。
調べてみると、今はFIFA museumにあるそうです。
ソールは市販品と同じく銀色ですが、3本線とかかと部分は白色です。
また、3本線の縁にはギザギザがあり、今回入手したモデルと同じような仕様です。
一方で、バチストン選手の他、フランス代表選手の白ラインSLは、ソールも白で、3本線はギザギザがなかったようです。
バチストン選手のスパイクがプラティニ選手と同じかは不明ですが、プラティニ選手のSLの3本線はギザギザがありません(ソールについては後述)。シュータンマークはこの当時から出始めた黒地に赤トレフォイルでした(画像はブラジル戦後)。お二人とも82年大会はこちらのスパイクでした。
このタイプのラインについてはこちらの方がお持ちのスパイクと同じで、
ソールはわかりませんが、わずかに見えるかかとは白いようです。どなたかが使ったもののように見えますが、入手先等の情報は不明です。
また、ラインは同じでもソールとかかとは銀色のままだったタイプは、この選手が使っていました。
W杯最年少出場記録を持つホワイトサイド選手(北アイルランド)。
白ラインSLなのはわかりますが、プレー中の画像では細かいところまでわかりませんでしたが、数年前に86年大会の実使用スパイクがオークションに出品されていました。
ソール、かかとは市販品と同じ銀色で、3本線も、もとのラインを取って、白ラインを後から付けたような感じがします。
実際にこういう加工をしていたもう一人の有名選手がこの方だと思います。
準決勝フランス戦からSLを使い始めた(それまでは固定式)ルムメニゲ選手。3本線は白ですが、かかとは銀色に見え、決勝ではラインが取れかかっているように見えます。
それどころか、
決勝ではかなりひどい状況だったようです。
とういわけで、ギザギザのない3本線は後付けした可能性が高く、付け方(プレーの激しさ)によって、取れてしまった場合もあったようです。
3本線がギザギザ入りで、かかともソールも白いバージョンがあったようで、
以前、キエフ(現在はキーウ)の方が画像を見せてくれたこのモデルは、SLでは珍しいシュータンマークが青色でした。これは確かウクライナ内の中古品店で見つけたと聞きましたが、戦争開始後音信が取れなくなってしまいました。お元気なことを願うばかりです。
白ラインで、おそらく青マークのSLを使っていた86年大会の得点王リネカー選手(このタイプのコパムンも使っていました)、
シュータンを折っている画像しかなく、確証はありません。
ただ、サイン入り実使用としてネットに紹介されているSLは市販品と同じタイプだったりします。
まあ、SLではなく、2000と書いているあたりで、あまり信憑性はないような気がします。
ブラジル代表もSLユーザーは多く、一番美しく写されている画像はこちらだと思います。
富越さんが撮影されたブランコ選手。止まっている選手のスパイクですら、ぼやけていることがほとんどのこの時代に、ジャンプボレーの画像とは思えません。空中で静止しているみたいです。すごいなあ。
また、青マークで白ラインのSLを履いていたミューレル選手、
Jリーグ(柏)でも少しプレーされた点取り屋で、名前は西ドイツのボンバーにあやかってつけられたと聞いた覚えがあります。90年大会はアシックスのスパイクを使っていました。
たまたま入手した銀色3本線の青マークSLは以前こちらで紹介しました。
86年大会では銀色3本線のSLを使っていたチームもありました。
カナダ対フランス戦。パパン選手は上記のプラティニ選手と同じ白ライン、白ソールのSLですが、カナダのRandy Ragan選手は3本線とかかとが銀色のSLです。
ソ連選手も銀ラインSLが多かったようです。
守護神・ダサエフ選手
点取り屋・ベラノフ選手
あとは、スペインにも銀ラインSLのユーザーがおられたようです。
ブラジルGKカルロス選手と競る銀色ラインのSLを履いているビクトール選手。
カルロス選手が履いている、SLと同時期にデビューしたWORLD CLASSや、新スタッドシステムのFX1などはそれほど多様性は見られないのですが、SL、2000はいろいろなバージョンが存在し、生産国も西ドイツ製の他、オーストリアやポルトガル製もあったようです。ただ、WORLD CLASSはフランス製もあったと思います(ご参考)。
SLの固定式2000も市販品は銀色3本線ですが、やはり86年大会では白ラインユーザーしかいなかったと思います。こちらは固定式はコパムンが圧倒的に多く、2000ユーザーは少数派でした。
2000ユーザーの代表(他にいたかな?)、
リティ選手。少し前に右上の白3本線の2000がebayに出品されていました。サイズが巨大でちょっと入札額を抑え気味にしていたら、最後に競り負けて手に入りませんでした。ちょっと残念です。
86年大会ではこちらのソールの選手しかいなかったと思いますが、別のタイプのソールもあり、このソールは、やはりこの大会でデビューした固定式で、シーフォ選手(ベルギー)などが使っていたWORLD CHAMPIONと同じです。
たぶん、ドイツ本国ならば白ラインの当時のW杯選手仕様モデルがあるかもしれませんが、さらに驚くべきモデルが、
白いアッパーで赤3本線、ソールはコパムンと同じSTRATOS2000をお持ちの方がおられました。
さすが、アディダスの母国ですね。
(2023年6月9日)
ストラトスSLはルムメニゲ選手がW杯最後に履いたモデルなのですが、長らく3マテリアルソールのモデルは使っていませんでした。
というのも、最初に使ったのは82年大会の初戦で、
当時デビューしたワールドチャンピョンを履いて、主将としてアルジェリア戦に先発しました。
ご自身で1得点されましたが、その時のはすでに、
固定式に変更されていました。
この試合は世紀の番狂わせで敗れてしまい、結果的に決勝まで勝ち進みましたが、初戦以降は固定式か、取替え式の場合は、
アディスーパーソールのワールドカップを使っていました。
(ルムメニゲ選手の固定式についてはこちらをご覧ください)
(2023年6月21日)