Size UK6 Made in West Germany
プーマの「KING」シリーズでなかなか見つからなかったモデルです。
初めて見たのはディエゴ様グッズコレクターの永井さんが所有されていたディエゴ様実使用品でした。
最初はこちらのWEBコラムに登場していましたが、T字白シュータンのモデルのインパクトが強すぎて、あまり印象に残りませんでした。
その後幸運にも、実際に目の前で見せていただく機会がありましたが、側面の印字がほとんど消えていて、正確なモデル名がわかりませんでした。
その後、こちらのコラムを書く際に調べてようやくモデル名がわかりましたが…、
上がサッカー雑誌の広告で、下が永井さんがお持ちのスパイクです。
日本の広告では「バイスバイラー・スーパー」と記載されているんですが、スパイクには「バイスバイラー・キング」と印字されています。
このモデルも少しスタッドに傷がありますが、その他は「バイスバイラー・キング」の印字などもきれいです。
販売期間は70年代の後半の数年のみと、結構短かったようですが、その間の複数の広告でもやはり「スーパー」になっており、「キング」に訂正されたことはなかったと思います。
プーマで「KING」モデルと一緒に名前が入っているのは、エウゼビオさん、ペレさん(こちらも)、ディエゴ様のお三方しかおられず、あのクライフさん、マテウスさんですら「クライフキング」、「マテウスキング」というモデルはありません。
もちろん、カズさん、ゴンさんもないですし、久々に復活しかけたのが、ネイマール選手モデルだったようですが、今はKINGは使っていないようです。
そんなごく限られた選手のみに許された「個人名+KING 」モデルを、監督の名前で作るかなあ…?
当時はまだディエゴ様もプロデビュー後数年の時だったので、
キング・エウゼビオ、キング・ペレの次のキングモデルが「バイスバイラー・キング」かよ?
と、日本のプーマ代理店の人がそう思って、広告は「バイスバイラー・スーパー」に変えちゃったんじゃないの?と勝手に想像しています。
ただ、この「バイスバイラー・キング」はこれまで何度か紹介していますが、ディエゴ様が初めて日本でプレーした時に履いたモデルです。
79年Wユースの初戦以外、ディエゴ様がこのモデルを履いたのは見たことがなく、永井さんがお持ちのスパイクはこの時のものではないかと思っています。
富越さんが撮影されたディエゴ様の大会初戦の試合直前の写真は本当に貴重なものだとあらためて思います。
この時は側面やシュータンの印字も金色に輝いていますが、永井さんのものは経年で見にくくなっています。ただ、シュータンマークに「MADE IN WEST GERMANY」と記されており、ディエゴ様の履いているモデルと同じ感じです。
今回入手したモデルはシュータンマークに「MADE IN WEST GERMANY」の表示はなく、インソールに印刷されています。
さて、バイスバイラーさんと言えば、奥寺さんを見出した監督として有名ですが、他にもプーマのシグネチャーモデルがいくつかあり、いずれも高級なスパイクでした。
このころ(70年代後半)のプーマの特徴である、
足入れ部に色つきの縁が付いています。
80年代からサッカーに興味を持った自分には好みのタイプではなく、ディエゴ様も使ったことがないと思っていたのですが、1980年のチリ戦の映像を見てみると、
なんとなく、縁入りモデルを履いているような感じです。
ディエゴ様はメノッティシリーズも履いていましたので、意外と監督シグネチャーモデルはお好きだったのかもしれません。
バイスバイラー・キングに話を戻しますと、数少ない所有者として往年の名選手がおられます。
帝京高校、三菱で活躍された元日本代表の川添さんです。
なんと、まだ実際に使用されているそうです。
お知り合いもおどろきながら紹介されています。
70年代後半にはこちらのようなノーマルの「KING」(いずれ紹介する予定)も販売されており、
側面縦に貼られている補強革の有無、かかとの革の形状、内張革の色など違いは様々ありますが、こんな高価なモデルを2つも別々に販売するプーマさんはおもしろい会社だと思います。
「バイスバイラー・キング」のかかとはこんな感じです。
内張りは白で、モデル番号(490)が記されています。
永井さんのディエゴ様実使用「バイスバイラー・キング」は、京都で行われた驚愕のディエゴ様グッズ展示会でも見ることができました。
永井さんが入手される前は、確かにディエゴ様のお宅にあったようです。
8月2日からは東京・渋谷で開催されるそうです。
ぜひ直接ご覧になってください。
(2023年7月21日)