502 WM Menotti

Made in West Germany
503 WM Menotti

Made in West Germany
カーフスパイクの話題が続いているので、今回はWM Menottiのご紹介です。
とはいっても、すでにいくつか所有していましたが、西ドイツ製で黒・黄色ソールは中古しかなかったと思い、未使用品に惹かれてついまた入手してしまいました。
入手の順番的には503の方が先で、ドイツのフリマサイトからグレースワールドさんのご協力で日本に輸入していただきました。
今回も誠に有難うございました。
WM menottiは、収集物として最初に手にした西ドイツ製モデルで、その後、黒・赤ソールやフランス製なども入手しました。

(黒・赤ソールのWM Menotti)

(フランス製は側面の文字がすべて大文字です)
個人的には白シュータンモデルの方が好みなのですが、このシュータンは裏がスポンジ材ではなく、年代的に内張も劣化しない素材なので、40年以上経ってもダメージがほとんどない、とてもタフ(?)なモデルです。
(プーマの白シュータンのスポンジ材は劣化すると黒い粉になって、靴の中が真っ黒になることがあります)
まあ、実際に履いたら一発でソールがペキっと折れると思いますが…。
一方、502は最近ebayでデンマークの方から入手しました。
小さい倉庫を購入したら、その中に大量のビンテージスポーツ品があったので出品しているそうです。
海外ではたまにそういう話を聞きますが、そんな倉庫があったら行ってみたいです。
以前フランス製のWM Menottiをベルギーの方から入手した時は、1足でよかったのですが、たくさん持っているとのことで、

爆買い(バカ買い)してしまいました(もう1足あります)。
最近日本でもこのモデルの大量出品がありましたが、こちらの出品者はさらにすごく、

13足…。
これだけあるとすべて箱から出して中身を撮影して、別々に販売するのが大変だったようで、紹介されていたスパイクの画像は、

この1足のみで、側面の表示がすべて大文字のタイプなので、全部フランス製かなと思いました。
さすがにフランス製はもういらないかということでスルーするつもりでしたが、よく見ると、箱に「Made in West Germany」の表示があるものがありました。
ということで、UK8サイズの502を購入したしだいです。
(結局全部売れたみたいです。何足かは日本で転売されているようですが…)
ちなみに503の箱には西ドイツ製の表示はありませんでした。

502は箱の中身は見せてもらわなかったのですが、いままでメッシュタイプのシュータンのWM Menottiは持っていなかったのと、西ドイツ製でメッシュタイプは珍しいかもと思い、少しテンションが上がったのですが、

日本のカタログの写真はこのタイプでした。
さて、このモデルのアッパーはWMやWELTMEISTERと同じく、ボックスカーフ革ということで、革フェチ(シューズ類のみ)の自分には好みの類になります。
まあ、スパイクはソールを取ってしまうと、アッパーの重量なんてカンガルーでも牛でもそんなに変わらないのですが、いろいろある牛の革では、カーフというのは価格も高そうで、やはり別格な感じがします。
ボックスカーフという名称は皮革の世界では有名のようですが、私はベルトマイスターのアッパーの素材として、大学生のころに初めて知りました。
最初に使われた時期はわかりませんが、ベルトマイスターの場合、まだ「ワールドカップ」と呼ばれていた74年ごろは、

最上級はカンガルーですが、
2万円ぐらいは最上質ボックスカーフ
1万5千円ぐらいは上質牛皮
1万円以下は牛皮
なんともアバウトな感じです。
その後、70年代後半にベルトマイスターという名称になったころでも、

まだ同じような表記です。
その後、79年にシュータンが変わったころは、

サッカー用品店の広告ですが、やはりボックスカーフと記されています。
新たにメノッティシリーズが登場し、こちらは牛革が英語になり、カウハイドとなっています。
1980年のカタログでは、

全部高級カウハイド(雌牛革)…。
ベルトマイスターまでもが…。
シーザーメノッティも価格は上がっているのに、

やはり高級牛革。
WM Menottiはカンガルー革モデルに囲まれて

やはり高級牛革です。
価格が倍ぐらい違っても同じ種類の革では価格差の理由がわかりませんね…。
当時、この表示を疑問に思った人がいたのかはわかりませんが、上に載せたWM Menottiがボックスカーフ革となっているカタログは82年ごろで、わずか1年で牛革の材質の記載内容が大きく変わっています。
他にも、

ベルトマイスターがボックスカーフに戻り、なぜか黒シュータンに戻っているシーザーメノッティもボックスカーフと表示してあります。
価格もデビュー時(14800円)よりかなり上がっています。
ちなみにこのころから(たぶん)国産モデルも登場し、こちらは、

ステア(雄牛)革です。そういえば、プーマのスパイクはオックスハイドとかキップという名称は付いていなかったですかね?違っていたらお許しください。
ちなみに舶来ものは、

ペレキング(カンガルー)を除いて、すべてカウハイドでした。
国産は雄牛、舶来品は雌牛の革、実にシンプルです。
あらためて日本のプーマのカタログでは、アッパーの素材表記が年ごとにまちまちな気がします。
まあ、40年以上前のころですから、アバウトなのはしょうがないですが、今回の疑問としては、WM Menottiは本当にボックスカーフ製だったのか?
ということで、日本のカタログは本家ドイツのカタログ(83年版)を翻訳したものだと思いますので、そちらを見てみました。
まず、ベルトマイスター

ベルトマイスターはドイツ語ですが、日本のみの呼び名ですので、海外では80年代も「WORLD CUP」でした(南米ではBORUSSIA)。なぜかまだ黒シュータンの写真ですね。このカタログにはドイツ語と英語表記があり、boxcalf leather (Boxcalfleder)の表記があります。
シーザーメノッティも黒シュータンですが、

veal box leather(Mastboxleder)…。ボックスカーフではないが、仔牛の革なのかな?
では、WM Menottiは、

すでにソールの種類が変わった年ですが、アッパーに関しては上のシーザーメノッティと同じくMastboxlederと記されています。英語の方はしなやかな革…。
ただ、日本のカタログは、

ステアですね…。カウじゃないのか?なんだかよくわからなくなってきました…。
ちなみにもう少し低い価格帯のモデルは、

カウハイドレザー(Rindboxleder)とあります。
どうもドイツでは革の種類分けがこまかくて、boxと名が付く革が複数あるようです。
こちらのHPなどには皮革のことがすごく詳細に書いてあるのですが、とても読む気にならないので、AIを頼ってみました。
ドイツ語の牛革の名称について、それぞれの違いを説明します。
1. Mastboxleder(マストボックスレダー)
- Mast = 肥育(Mastvieh は肥育牛を指す)
- Boxleder = ボックスレザー(型押しされた革)
- 特徴:
- **肥育された牛(Mastvieh)**の革を使ったボックスレザー。
- 一般的に、肥育された牛は成長が早く、革が厚くなりやすい。
- しっかりした質感で、靴や鞄に使われる。
2. Rindboxleder(リンドボックスレダー)
- Rind = 成牛(成長した牛の総称)
- Boxleder = ボックスレザー(型押し加工された革)
- 特徴:
- 成牛の革を使用したボックスレザー。
- Mastboxleder よりも広範な牛革が含まれる。
- 比較的厚みがあり、丈夫で靴やベルトに適している。
3. Boxcalf(ボックスカーフ)
- Box = ボックスレザー(型押し加工された革)
- Calf = 子牛
- 特徴:
- 子牛(calf)の革を使用したボックスレザー。
- 成牛の革よりも柔らかく、キメが細かく、上品な光沢がある。
- 高級紳士靴や高級バッグによく使用される。
違いのまとめ
| 名称 | 使われる牛の種類 | 革の特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Mastboxleder | 肥育牛 | 厚みがあり丈夫 | 靴、鞄 |
| Rindboxleder | 成牛 | 厚みがあり丈夫 | 靴、ベルト |
| Boxcalf | 子牛 | 柔らかくキメ細かい | 高級靴、バッグ |
要するに、Boxcalf が一番高級で柔らかく、Rindboxleder や Mastboxleder は厚みがあり、丈夫な印象ですね。
用途に応じて使い分けられることが多いです!
さすがです。
さらに、ドイツ語のMastboxleder、Rindboxlederは雌雄の差はないとのことで、無理やり英語にすると、カウやステアの雌雄の差が入ってくるのでごちゃごちゃになるようです。
ステアとカウの違いも聞いてみました。
カウハイド vs. ステアハイド の比較表
| カウハイド(Cowhide) | ステアハイド(Steerhide) | |
|---|---|---|
| 牛の種類 | 成熟した雌牛(2歳以上) | 去勢雄牛(2歳以下) |
| 革の厚み | 比較的薄め | 厚くて丈夫 |
| 繊維の密度 | 細かく柔らかい | しっかりしている |
| しなやかさ | 高い(柔らかい) | 中程度(丈夫) |
| シワの多さ | 多い(個体差が出やすい) | 少ない(均一な質感) |
| 耐久性 | 中程度 | 高い |
| 主な用途 | 高級バッグ、衣類、手袋など | バイカージャケット、ブーツ、ベルト、カバンなど |
本当に便利です。
後から調べてわかったのですが、プーマの数少ないキップ革のスパイク

84年からは国産の製品についてはアッパーの説明が非常に細かくなったようです。
ステアが相変わらず多いのですが(カウハイドがないです)、
ステア
ソフトステア
ハイソフトステア
特殊加工脂剤仕上ステア
どう違うねん…。
そもそもドイツの革の種類分けは、アメリカのカテゴリーと異なり、正しく日本語にするのは至難の業だったのかもしれませんね。
ソフトステアというのはカウハイドに近い性質なのかもしれません。
というわけで、おそらくWM Menottiやシーザーメノッティはボックスカーフではなく、それよりは少し下のランクの革のようです。
まさか、ドイツ語カタログでboxと書かれたものはすべて、ボックスカーフにしてしまったのか…。
そんなわけないか。
まあ、サッカースパイクですから、丈夫な方が好みの選手はこちらの革の方がよいかかもしれません。
今は革製でないスパイクばかりのようですので、そういう選択肢もないのでしょうね。
牛革はカンガルーに比べ、保管状態が悪いと経年硬化するようで、かなりの数のスパイクを集めましたが、これぞボックスカーフという状態を維持しているのはこちらだけかもしれません

画像だと伝わりにくいのですが、入手して10年近く経ちますが、今もツヤツヤです。
これは前所有者様の画像で、屋外で撮影されたため、つやの感じがよくわかるかもしれません。
結論として、プーマのボックスカーフ革のサッカースパイクはベルトマイスターと、WMだけだったということで締めたいと思います。
(2025年2月21日)
