Size UK10 Made in West Germany
記念すべき400足目のスパイクです。
300からは「先生」から譲っていただいたコレクションがかなりの数を占めますが、これもその一つです。
先生は70年代の西ドイツ代表がお好きですが、なかでもネッツァー選手のファンで、こんな貴重なモデルもお持ちでした。
ただ、残念なことにソールが劣化してなくなっていました。
固定式ではよくありますが、取替え式でも70年代半ばまでのプラスチックソールは薄く、割れやすいようです。
固定式のソール移植はいくつかトライしましたが(例)、取替え式はこれまでしたことがありませんでした。
なんとか修復したいと思いましたが、プーマ以外のソールや、プーマでも年代が違うとスタッド固定用のネジの位置が違うので難しく、まったく同じタイプのソールだと…
もう一足キングペレを見つけるしかない…。
(ちなみにこの大変貴重な70年代のカタログも先生から譲っていただきました)
まあ、それ以外でも同じタイプのソールのモデルはありそうでしたが、サイズが同じで程度のよいものなど、そうそう見つかるはずもないですし、あってもソールをはがす勇気がないです。
というわけで、サイズが同じで移植できそうなモデルをとりあえず探し、見つけたモデルがこれです。
ポルトガル製のメーカー不明のアディダスもどきスパイク。
これはこれで結構めずらしいモデルかもしれませんが、申し訳ないですが犠牲になってもらいました。
ただ、やはりスタッドの位置が若干違いました。
そこで、あの「匠」のリペア店に相談してみたところ、スタッドのネジも取り外して接着していただけるとのこと。
さすがです。
ちなみに70年代のカタログには
スタッドのネジ(ナット)も交換部品として載っていました。革のスタッドもあったんですね…。
おかげさまで、プレーも可能なぐらい頑丈なソールが装着できましたが、もったいないので履くことはないでしょう。
(詳しい作業工程はこちらです)
ただ、実際にこのモデルでプレーされた日本人がおられました。
先生とおなじく、たぶんネッツァー選手のかなりのファンと思われるこちらの方です。
写真家の富越先生です(右端)。
富越先生のSNSのお写真ですが、お若いころ、日本代表OBの方々とサッカーをされた時の写真のようです(となりはJリーグ初代チェアマン!、前はアントラーズ初代監督!)。先生は青いスパイクを履いておられます(ちなみにAZURは青という意味らしい。あ、イタリア代表のアズーリか)。
そのスパイクは現在も大事にお持ちのようで、こんな写真も投稿されておられました。
70年代に西ドイツで購入されたとのことでした。
一見、このモデル(AZUR)に見えますが、おそらく富越先生のスパイクや、ネッツァー選手が実際履いていたモデルはこちらの広告にあるNETZER WM74の青色バージョンだったようです。
これも富越先生が撮られたネッツァー選手のスパイクの写真です。
こちらは今も保存されているサイン入りスパイク
シュータンや横とかかとの革の形状などがこのモデル(AZUR)とは異なるようです。
たぶん、日本では未発表のモデルが西ドイツでは販売されていたんですね。
富越先生は数多くのスーパースターのお姿を撮影されておられますが、ネッツァー選手の写真は他の選手よりかなり多い気がします。
プレー中以外でもかなり個人的な接写画像も多く、ネッツァー選手と富越先生が親しくないと撮れなかった気がします。
西ドイツ代表で、70年代にこのスパイクにロングヘアーはかなり目立ったでしょうね。
クライフ選手とならび、70年代の「プーマの顔」でもあったネッツァー選手でしたが、代表ではしかたなく(?)アディダスのスパイクでした。
時期的にこのモデルかな?
プーマがサプライヤーだったボルシアMGでのご活躍が長かったですが、スペインのレアルでもプレーされました。
本意かはわかりませんが、レアルでもプーマではなかったようです。
最後に、先生からはこちらのトレシューもお譲りいただきました。
こちらもネッツァー選手モデルかはわかりませんが、今見てもきれいでカッコイイですねえ。
何回も繰り返しで恐縮ですが、こんな貴重な品々を本当にありがとうございました。
末永く大事にさせていただきます。
(2022年1月14日)
追記
私のスパイクバカぶりをこちらの雑誌で記事にしていただきました。
もしよろしければ、ご笑覧ください。